地域おこし協力隊 岸田一輝さん

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地域おこし協力隊 岸田一輝さん
2014-10-28 16:25:39


地域おこし協力隊                   岸田一輝さん  

館山に移住し、地域おこし協力隊として館山市役所の「まちなか再生事業」に取り組みつつ、若手建築家としてお仕事をされている岸田一輝さんのお話をお伺いしました。

きしだ

 

岸田さんは、2008年の大学3年生の時、始めて館山を訪れました。岸田さんは大学で建築のデザインを学んでおり、当時所属していた研究室の教授が設計した別荘を見に行ったようです。「その時は、とにかく遠いところだなぁ」と、当時の感想をお話します。

大学を卒業後、千葉大学大学院に進み、館山のプロジェクトを担当。そこで再び館山と出会います。

同大学院では「館山の低利用建物の再活用を通したまちづくり」を研究していました。大学院修了後は、館山を離れ、東京の都市コンサルタントに入社し、日本各地のまちづくりのお手伝いをされます。2013年、千葉大学大学院に戻り、特任助教に就任し、館山市長須賀で実施されていた「2013年まちなか再生支援事業」に参加しました。また建築家としてデザイン事務所を設立しました。そして今年度、館山市の「地域おこし協力隊」に就任し、様々な活動を展開されています。

 

【岸】「東京の都市コンサルタントで各地のまちづくりのお手伝いをさせていただいていましたが、本当に自分の取り組みたい事とうまくかみ合わずいろいろ考えているところに千葉大学大学院の特任助教と長須賀で実施されたまちなか再生支援事業のお話を頂き、それがきっかけに館山に移住しました。」

この「まちなか再生支援事業」が行われる長須賀は館山駅にほど近い、いわば館山市の中心市街地ともいえる地域です。

もともとは商業が盛んな商店街でもあり活気のある地域でしたが、今は衰退傾向にあります。

岸田さんはこのプロジェクトが展開される「長須賀」に住み、消防団や壮年会にも入って活躍中。

【お】「消防団や壮年会の活動はなかなか大変でしょう?」

【岸】「当然大変ですが、地域の皆さんの支えもあって、なんとか邪魔にならない程度に活動に参加させてもらっています。」

【お】「実際に長須賀で感じたことは?」

【岸】「長須賀の皆さんと関わりながら感じるのは、長須賀にはたくさんの『道楽』の達人がいるということですね。」

【お】「どうらく・・?みんな遊び好きってことですか?」

【岸】「『道楽』っていうのは単純に「遊び」という意味ではなくて、「自分のための仕事」という意味です。逆に「他人のための仕事」は『職業』。これは夏目漱石の言葉です。ちょっと普段僕たちが使っている意味とは違いますね。魚釣りが好きな人は自分が楽しめるように工夫し、良く釣れる場所を調べて、良く釣れる餌を研究して、そして早起きして釣りをしますよね。こんな感じに自分の楽しみのための仕事が『道楽』。家族サービスや、嫌でも付き合いで飲みにいかなきゃいけないような場合もあるじゃないですか。これは『職業』と言えます。普通は生活を「仕事」と「遊び(レジャー)」という感じに分けると思いますが、違う分け方をしたのが「道楽」と「職業」というわけです

まちづくりとか、地域おこしとかって、「自分の街のためになにかやるぞ!」、「自分の子供(孫)が暮らしやすいように!」、「みんながやっているから一緒にまちづくりしようか」と住民の方々が意気込んだり、付き合いでまちづくりに参加したりするケースが多いんです。これは「他人のためにやる仕事」ですよね。言わば、『職業としてのまちづくり』です。これはなかなか長続きしない。

そこで僕が立てた仮説は「自分(たち)が心から楽しい事を継続的に実現させ、少しずつまちづくりに関係させていくことで、まちの活性化を実現できる。」ということです。言わば、『道楽としてのまちづくり』と言ったところでしょうか。

去年、日本のまちづくりの第一人者の先生方に、この仮説を発表した事がありますが、かなり評価がよかったんです。

これは特に僕の功績でもないんですよ。この『道楽』としてのまちづくりというものが有効なんじゃないかな、と思わせてくれたのは長須賀の方々です。

長須賀では、祭り、納涼露天市、音楽ライブパーティなど、まちの『道楽』を協力し合い、それぞれの得意な技術を使ってつくっています。当然、お仕事などでお忙しい方々なのですが、お仕事の合間に、またはお仕事を早く切り上げてやる方もいます。しかも、それぞれのまちの『道楽』が、まちを活性化したり、維持したりすることに有効に働いているんです。すごくないですか?最近のまちづくり業界の議論を見ると、「若者がまちづくりに参加すること」、「住民の得意分野を生かして、協力してまちづくりに取り組むこと」が必要だという流れなんですが、長須賀では『道楽』をテーマに、ずっと昔から実現していたんですね。そんなことを考えると長須賀は、まちづくりにおいて最先端のまちだったんです。


僕は、自分の道楽もやりつつ、みなさんの『道楽』を支えたり、実現のお手伝いをしたりすること。そして少しずつまちづくりに繋がるようにしていくことが自分の地域おこし協力隊としての役割だと思っています。

新たな価値観を常に生み出しつつも、長須賀のアイデンティティを維持し、楽しい長須賀になればと思っています。」

【お】「岸田さんが大学で研究されていたのは、『館山の低利用建物の再活用を通したまちづくり』でしたよね?そういった専門分野も、その道楽に活かせるのでしょうか?」

【岸】「もちろんです。例えば、長須賀には『プリンセスの会』という女性の会があります。これも○○婦人会とか言いそうなところですが、プリンセス・・って名付けてしまうあたりセンスの良さがあふれていますよね!この会の皆さんの拠点を利用頻度が低くなった古い商家を改装してつくったんです。今では、日々、会員の皆様がお茶をしに集まったりする姿がみられますし、先日、地域の健康推進イベントや、本格的なお茶会にも使われるようになりました。この改装は、千葉大学の学生たちに設計させ大部分を自分たちでやってもらいました。それによって、学生も勉強になりますし、地域のひとと、大学生との交流も生まれました。今は、長須賀にある使われなくなった公民館の改修と、空き家の改修を進めています。」

プリンセスサロン

【お】「岸田さんは地域おこし協力隊に就任する以前に、建築のデザイン事務所を設立してますよね?お忙しいですね・・。」

【岸】「今は、市内にイタリアンレストランの設計をしています。その関係で、東京と館山を行ったり来たりしながらの生活です。東京も館山も刺激的な場所なので、それぞれの場所で刺激を受けながら仕事ができているので、すごく充実しています。」

【お】「すごくお忙しい毎日ですが、楽しそうですね。さて、今後の岸田さんの思い、そしてやっていきたいことは?」

【岸】「館山は良い意味で『スキ間』の多い地域。あまり利用されていない建物、空き地などです。昔もまちの中にスキ間がありました。例えば子供たちは、そのスキ間に秘密基地をつくったり、悪いことをしたりして、自分たちで学んでいた。昔の子供は、まちのスキ間を使う事には天才的でした。大人たちも、スキ間でバーベキューをやったりしてたじゃないですか。今はあんまり使っていないですよね。そういうスキ間を色々と有効に使いたいですね。その方法として『道楽』が良いと思っています。」

【お】「地域おこし協力隊の任期は3年と聞いていますが、その後は?」

【岸】「きっと、長須賀のまちづくり自体、3年で仕上がるものではないと考えています。この3年間でできるのはきっとある程度の道筋をつくるということにとどまるでしょうが、引き続き長須賀のまちづくりを進めたいです。また長須賀の方々に教えてもらったノウハウや、ネットワークをもって、この地域と都市部をつなぐようなデザインを生み出す仕事をしていきたいです。」

 

道楽のまち長須賀・・もともとの住民が気がつかなかったこの街のチカラに岸田さんが気付き、地域おこし協力隊として磨きをかけようとしています。

お話をうかがっていて感じたのは、岸田さんには物理的な、もしくは地理的な強い執着はなく、コミュニティ、社会、街のなかにある空間などの

デザインをすることに対する彼のなかの『道楽』にこだわりがあるということです。その彼が目指すのは自分のための仕事として・・つまり自分が生きていて楽しい地域を自らの手でつくろうとする欲求に満ち溢れている・・つまり彼自身が道楽人なんだということでした。

そんな若きまちのデザイナー岸田さんの活動する長須賀の今後がすごく楽しみですね!

 


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