命を大事にする仕事として・・・ 中井結未衣さん

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命を大事にする仕事として・・・ 中井結未衣さん
2015-08-10 11:00:11
タイトル

「株式会社バラの学校 中井結未衣さん」

兵庫県神戸市ご出身、表参道で12年プリザーブドフラワーのお店を経営されてきた中井さん。東日本大震災を経て「花」を扱うビジネスの在り方に疑問を感じ館山で新たな形を求め3年間。「はじめの三日間は泣いて暮らしました・・」都会生まれ、都会育ちの中井さんが山間の地域ではじめた暮らし、お仕事のお話をお聞かせいただきました。

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準備が始まった頃のバラ園


中井 もうね、最初の3日間は泣いていましたよ。(笑)とにかく夜になると真っ暗で寂しくて心細くて。夜は暗いのだ・・ということを改めて認識しましたね。

 おせっ会 神余は館山のなかでも特別静かな場所ですものね。

 中井 そうなんですよね。ある思いがあって、この活動をはじめるべく栃木県とかにも場所を探してみたのですが、この神余に一目惚れだったんです。もうここしかない!って。

ところが、別に田舎暮らしにあこがれて来たわけではないので、住み始めていきなり、真っ暗な夜という現実に直面・・ポロポロ涙がこぼれてしまったというわけです(笑)

 おせっ会「とある思い」とは?

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被災地にて


中井 2011年の東日本大震災の直後、プリザーブドフラワーの仕事仲間数名と南三陸の被災地支援活動に参加し、プリザーブドフラワーを持って行きました。正直、被災者のみなさんにとってはもっと水、食料、衣類など日常の必需品の方が嬉しいかもしれないなぁと思っていましたが、プリザーブドフラワーなら長持ちしますし、少しでも気持ちが和めばと思いまして・・、ところが、南三陸の人たちが大喜びしてくれたんです!

「わぁ〜!お花が欲しかったのぉ〜!」って。そう言われた時にハッとしました。


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被災地にお届けさしたプリザーブドフラワー


「わたしは、花が好きで花をビジネスにしていたけれど、なんだか本質が曲がっていた。」って。ビジネスにしているのだから、ある程度はしかたないのかもしれませんが、お花に対して“売上” “利益”という部分ばかりを見ていて感覚的に無機質になっていたと・・。

もっとお花のビジネスを“命”を大事にする仕事としてやり直したかったのです。


おせっ会  命を大事に・・ですね。それでバラの栽培からやることにしたわけですね。

 

中井  はい。それで、ご縁がありこの土地と出会ったわけです。

 

おせっ会  それで、3日間泣いて暮らすことになったわけですね(笑)

 

中井  そうですね(笑)それでもね、4日目の夜がとても晴れた月夜になりまして、

月の明るさを実感したのです。

「月って明るいんだ・・」って感動しちゃったんです。それからは、すっかりこの地域の夜にも慣れ、泣かなくなりました(笑)ここは星空もすごいキレイ!本当に素敵です。

 

おせっ会 でも、神戸で育ち、表参道でビジネスをして、それまでの中井さんの人生は都会にあったわけですので、館山の、しかもこの神余のようなところでは田舎暮らし自体に興味があったわけではない中井さんにとって不便で寂しいものでしたでしょうね。

 

中井 う・・ん実はですね、ここでの暮らしに不便さを感じたことは一切ないんです。

生活に必要なものは車でちょっと走れば何でも手に入るし、月に3,4回は仕事がらみで東京にいきますので特別なものはそこで調達できますしね、東京なんて日帰りできますから。

神余は生活するには充分です。

それよりも、徐々に神余の自然やひとたちに魅了されていきました。

神余だけではなく館山・南房総全体としていいところだなぁ・・と思います。

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おせっ会 どんなところが館山っていいなぁ・・と思われますか?

 

中井 そうですね・・いろんな魅力があると思いますが、変わって欲しくないモノや、コトがしっかりと残っているということでしょうか。

自然、文化などはもちろんのこと、町並みもなんとなくいい雰囲気を残されているんですね。お店の看板とかが、ちょっとレトロでかわいいなぁ・・って思ったりすることもあります。

 

おせっ会 ほぉ〜、ずっとここに住んでいると「こんなモンかなぁ・・」と当たり前になってしまっているのですが、そういう目でみると館山の街なかも面白いんですね。

館山に住んで困ったことなどはありませんか?夜が暗い・・ということ意外で(笑)

 

中井 う〜ん、取り立ててないのですが・・

あぁ、強いていえば・・ですけど東京で暮らしているときに使っていた銀行の支店が館山とか南房総にはないということですね。入出金などはネットやコンビニでできてしまうのでいいのですが、通帳の記帳とか、そのほかちょっとした手続きなど窓口がないと不便ですね。まぁ、それも仕事で東京に行った時にまとめてこなしますのでさほどの問題ではないです。

 

おせっ会 少しご商売のお話をお聞かせください。さきほど、少し見学をさせて頂きましたが、深い森がまわりにあって、真ん中を小川が流れ、とてもいい空気の流れるバラ農園ですね。これはお一人で作られたのですか?

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中井 ありがとうございます。

色んな方のお力をお借りして作りまして、今年で3年目に入ります。

最初の1年は開墾して土作り、2年目でバラを移植して蕾まで作りましたが、丈夫なバラを作るためにこの年はすべて剪定し花は咲かせず、3年目の今年になってはじめて出荷をはじめるに至りました。

 

おせっ会 そんなに時間をかけられたのですね!!大変な作業ですね、逞しいなぁ!

 

中井 そうですね〜。でもね、元々私は土いじりが苦手だったんです(笑)

もうね、土をほっていてミミズが出てくると「ギャ〜〜〜ッ」なんて言いながら2mくらい瞬間移動してましたもん! いまではミミズが居るということは土がいい状態という証ですので有り難い存在にしか見えなくなりましたが。

 

おせっ会 ミミズは気持ちのいいもんじゃ無いですもんね・・。

 

中井 栽培方法は、食用にもするので無農薬、有機栽培にこだわっています。

 

おせっ会 有機栽培ですか!お花は難しいと聞きますが、特別な農法なのですか?

 

中井 いえ、実は、なるべく誰でもやれる栽培方法にしているのです。

この栽培方法を多くのひとが実践できるようにして広めることがこの農園の目的でもありますので、高価な道具が必要だったり、ものすごく難しい農法だったりしないようにしてあります。食用バラ栽培のお教室もやっているんですよ。

 

おせっ会  あ、それで「バラの学校」なのですね!(いまさら失礼)

 

中井 そうですね。(笑)

その他にもプリザーブドフラワーのお教室やバラを使ったジャムづくり、香水づくりのお教室もやっております。

また、バラ関連だけではなく、野菜の勉強、起業塾、写経、体育、算数など「大人向けの学校を開講します!

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おせっ会  まさにバラに囲まれた学校ですね。

 

中井 それ意外に、バラ風呂用の花の出荷や、苗の販売、バラのガーデニングデザインや、剪定などの造園仕事の請負もしております。

 

おせっ会 お忙しいですね〜!!

それに、今年の5月には、このカフェもオープンされたのですよね?

 

中井 カフェではなくて、カファです。

 

おせっ会  カファ?

 

中井 はい、カファです。これは造語なのですが、カフェとソファを組み合わせたネーミングでして、お客さまがのんびりと寛ぐ時間をお過ごしになる場所というコンセプトを込めています。

 

おせっ会  素敵な“カファ”ですね。やはりバラをお料理に使うのですか?

 

中井 はい、“おなか一杯食べてもカラダに良いもの”が一つのテーマになっていまして、地域で採れる安心で安全な無農薬の野菜をふんだんに使い、お飲み物や、お料理の添え物、ソースなどにバラを活用して、すべて手作りで提供させて頂いております。

この地域で採れる野菜って土がいいのか、気候がいいのか、すごく美味しいですよね。

こういった野菜にもやはり命をすごく感じます。形が少し悪くて出荷できないものなども仕入れてきて、スムージーにして提供したりしております。バラだけでなく、野菜の命も無駄にしたくないなぁ・・って。

 

この地域に移住し、お金では買えない、すごく貴重な事を学ばせて頂いたと思っています。

 

この地域にとっては、すごく当たり前のことなのかもしれないけれど、季節、季節に旬の野菜があり、目の前で採れるものが手に入り、そして季節が終わるとすっかり手に入らなくなり、次の旬の恵みが現れてくる。畑、山だけではなく海にも囲まれたこの土地は命にあふれていてとても豊かです。とても貴重で大事なことです。

 

東京にいると、どんな食材でもお金を出せばなんでも一年中手に入りますでしょう?

だから、そのありがたみが解らなくなってしまっているのかもしれませんね。

 

そういったことを含めて、震災の時に思った、「“命”を大事にする形でやり直したくなった」を会社全体の事業のなかで実現してゆきたいと思っているのです。

 

おせっ会  震災の現場での気づきを徹底して実現しようとなさっているのですね。

素晴らしいなぁ。 そんなお気持ちがこのお店の穏やかな雰囲気に出ているのでしょうね。

 

中井 ちなみにこの店の内装もちょっと手作りで頑張りました!

 

おせっ会 え!内装!?

 

中井 と、いっても簡単なところだけですけどね(笑) 壁は全部自分で珪藻土を塗りましたよ。いやぁ〜けっこう難しかったなぁ・・。思った以上に材料をつかってしまって、やっぱり素人だからですかね??

あれ?職人さん頼んだほうが安かったんじゃない?ってくらいかかっちゃいました(笑)

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おせっ会 そうですよね?壁塗りってけっこう難しいですよね。

それにしても、農園もあり、カファもあり、販売があったり、お教室があったりお忙しいなかよくやられますね・・。

 

中井 神余地域のひとをはじめ館山の多くのひとが、ちょっとした家の補修から、野菜づくりまでいろんなことを自分でやってしまうんですよね。

そんな人たちも見ていたら、なんか自分もやりたくなっちゃったんです。

だから、今は早起きして農園で作業して、そのあとカファ。カファが終わったらまた農園というスケジュール。

それでも、なぜか東京に居たときよりも心にゆとりがありますし、気持ちが豊かです。

 

おせっ会 「株式会社バラの学校」の今後の展開は?

 

中井 まだ、本当に“夢”の段階なんですけどね、最終的にはバラでお出迎えして、バラでおもてなしをし、バラで眠り、バラでお送りする「バラのホテル」を作りたいなぁって思っているのです。いつできるのか分かりませんけどね。

 

おせっ会 それはまた素敵な発想ですね!是非、叶えてください。

僕も楽しみにしています。

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「バラの学校」 「マダムナカイのローズカファ」

294-0023

千葉県館山市神余4588-1

電話 0470-29-5800

 

□営業時間   11:30〜14:00 LO(ご予約のお客様優先)

WEB SITE / http://www.baranogakkou.co.jp/





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